夜のおくりびと・・・

遺体搬送屋の独り言

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遺されたもの#2

その方をお迎えに行ったのは、ある警察署の霊安室だった。
「薬物中毒」での死だった。
喉元から腹部にかけてメスの痕が痛々しかった。
解剖の痕だ・・・。

故郷での死では無く、都会での死だった。
送り先は自宅では無く葬儀場の霊安室。
亡くなられた方は、まだ若そうな方ではあったが、ご遺族の方が来られて驚いた。
来られたのはまだ若い奥様、それにまだ幼い子供さんだったからだ。

このご家族の事情は分からないが、ご主人一人、都会へ出られて一体何があったのだろう・・
奥様はただただ号泣されていて、見ている私も言葉の掛けようも無い・・
さらに辛かったのは、まだ幼い子供さんがお父さんの死を分かって無い事だ・・
「お父さん病気?どこか痛いの?」
と健気に声を掛けていた。
ただでさえ現実を受け止められない状況の中で、奥様は
「お父さん病気なんよ・・だから早く元気になってねって声を掛けてあげて」
と気丈に子供さんへ答えられていた。
私は痛たまれない気持ちでいっぱいだった。

故人の色々な事情、それもあると思う。
でも現実から逃れられる一つの結果が【死】であり、故人はそれで満足だったとしても
【遺されたもの】にとっての現実はそこから始まってしまう事を、どうか忘れないで欲しい。

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